魔術師 ヒータ
魔術師 ヒータ。
その名を聞いて、尻すごみする勇者も多かったそうで、
ヒータは占星術を巧みに使いこなし、次はどんな必殺技をだそうか
考えて、相手と戦っていたと魔術師会の情報誌には記載されていた。
イタリア愛の強かったヒータはイタリアで出生し、生涯イタリアからは
一歩もでることがなかった。
ヒータには、2歳離れた妹がいる。
貧しい家に生まれながらも、父母に面倒をかけたくない一心で贅沢な遊びも
せず、妹とも仲良く暮らしていた。
そんな中でも本は特別だった。
裕福ではないので、同じ本を何回も何回も読み、内容を理解するまで
読み続けた。
それが、占星術だった。
ここまでみるとかなり好青年だったヒータがなぜ魔術師になり、
勇者と戦うようなことになったのか?
それは、彼が23歳のとき、信じていた友達に、「お金を盗まれた。」と
誤解されたのがきっかけだったそう・・・。